書籍の発行 "I'll make you rich, Kunio." そう言ってシェルダン氏は当時米国でベストセラーを続けていたMaster of the Gameの翻訳権をタダで益子社長にくれました。ありがたい話だったが、当時翻訳本が売れるのはせいぜい2万部止まりというのが出版界の常識。もらったものの、どうしたものかと出版をためらっていた益子社長のもとに、シェルダン氏から一行の手紙が。「私の本はどうなったか?」ちょっとむくれた内容の手紙に益子社長は気が進まないまま腰を上げる。どうせダメでもともと、だったら思い切ってあれをやってみようと、かねてから考えていた新しい翻訳法を実践し、それを「超訳」と名づけて登録商標に。自然な日本語に訳すことを目指した「超訳」は大好評で、『ゲームの達人』は日を追って売れ出し、長期間にわたりベストセラーの1位を続け、ついに上下計700万部という日本の出版記録を打ち立ててしまった。その後シェルダン氏の作品は、全て大ベストセラーに。タイトルを順に挙げると、『ゲームの達人』『明日があるなら』『時間の砂』『真夜中は別の顔』『血族』『明け方の夢』『私は別人』『天使の自立』『星の輝き』『神の吹かす風』『陰謀の日』『女医』『顔』『空が落ちる』『よく見る夢』『逃げる男』『億万ドルの舞台』『リベンジは頭脳で』『異常気象売ります』『新十戒』『結婚不成立』以上21作品。シェルダン氏以外の作家の作品も手がけ、超訳した作品のほとんどがベストセラーになっている。ダニエル・スティール氏の作品(『アクシデント』『幸せの記憶』『二つの約束』『敵意』『無言の名誉』『贈り物』『五日間のパリ』『つばさ』『最後の特派員』『長い家路』『落雷』、以上11作品)、ディーン・クーンツ氏の作品(『インテンシティ』『生存者』『何者も恐れるな』、以上3作品)、ジョン・グリシャム氏の作品(『裏家業』『呼び出し』『甘い薬害』以上3作品)、ニコラス・スパークス氏の作品(『奇跡を信じて』)。 |